自動車ローンは何年で契約するべき?決め方や負担を抑える方法

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車を購入するにあたって、自動車クレジット(以下、自動車ローン)を何年で契約するべきか迷っている人は多いのではないでしょうか。自動車ローンの総支払額は、契約期間によって変動します。そのため、契約期間は購入時に検討すべき重要なポイントの1つです。
今回は、自動車ローンが一般的に何年まで契約できるのか、自動車ローンの契約期間を検討する際にどのような点を確認しておく必要があるのか、という点について解説します。注意点や毎月の支払い負担をできるだけ抑える方法にもふれていますので、ぜひ参考にしてください。

<この記事のポイント>

  • 自動車ローンの契約期間は一般的に、ディーラーローンの場合3~8年、銀行ローンの場合7~10年が目安
  • 自動車ローンの契約期間を決める際には、月にどのくらい車にお金をかけられるか、繰上返済をする予定はあるかを加味して検討する
  • 自動車ローンは基本的に契約期間を変更できないこと、契約期間中に車を売却する場合には一括返済をする必要があることに注意する

車のローンは何年まで契約できる?ディーラーローンと銀行ローンの違い

自動車ローンには、大きく分けて「ディーラーローン」と「銀行ローン」の2種類があります。それぞれの自動車ローンについて、一般的な契約期間を確認していきましょう。

ディーラーローンの場合

ディーラーローンとは、車の販売店が信販会社などと提携して提供する自動車ローンのことです。
ディーラーローンの契約期間は販売店によって異なりますが、一般的には3~8年が目安となります。比較的短期間での契約にも対応できる点が特徴です。

銀行ローンの場合

銀行ローンとは、銀行や信用金庫などが提供する自動車ローンのことです。
銀行ローンの契約期間は金融機関ごとに異なるものの、一般的には7~10年が目安となります。多くの場合、ディーラーローンと比べて、長期契約に対応しています。

自動車ローンの契約期間を検討するときのポイント

自動車ローンを無理なく支払っていくためには、確認するべきポイントがあります。自動車ローンの契約期間を検討する際は、下記の2点について確認しましょう。

月にどのくらい車にお金をかけられるか

自動車ローンの契約期間を検討する際のポイントの1つは、月にどのくらい車にお金をかけられるかという点です。
車を所有すると自動車ローンの支払い以外にも、駐車場代、ガソリン代、税金などを負担する必要があります。年度によっては車検の費用もかかるため、維持費を含めた月間と年間の出費をおおよそ把握しておくことが大切です。
その上で、車にかかるお金と家計とのバランスを無理なく保てるかどうか、判断しなくてはなりません。現時点で問題なく支払える金額に収まっているかどうかだけではなく、将来的に必要になる可能性がある、住宅購入費用や子供に関連した費用なども想定しましょう。
直近の暮らしのみならず、長い目で捉えて無理なく支払える金額かどうかを考慮しておくことが重要です。

繰上返済をする予定はあるか

自動車ローンの契約期間を検討する際の2つ目のポイントは、繰上返済をする予定があるか否かです。
自動車ローンは、購入時にまとまった費用を用意せずに車を所有できる点がメリットですが、分割払いのため金利(分割払手数料)が発生します。
金利(分割払手数料)を抑え、支払総額を少なくする方法の1つには、繰上返済の利用が挙げられます。そのため、繰上返済を利用する予定がある場合、総支払額を抑える目的で契約期間を無理に短くする必要はないでしょう。

自動車ローンの契約期間を決める際に知っておきたい注意点

自動車ローンの契約期間を決めるにあたり、知っておきたい注意点をご紹介します。契約後に慌てることのないよう、下記の2点を押さえておきましょう。

基本的に契約期間は変更できない

自動車ローンは、一度契約を締結したら基本的に契約期間の変更ができない点に注意が必要です。
例えば、毎月の支払いが厳しくなった際、契約期間を延長して毎月の支払金額を抑えたいと思ったとしても、基本的に契約期間の変更はできません。早めに支払いを終えたい場合には、繰上返済を利用できる場合があるものの、自動車ローンによっては繰上返済時にも手数料がかかります。
そのため、無理なく支払いを続けられるか慎重に判断する必要があるのです。
なお、トヨタの自動車クレジット(自動車ローン)では「お支払いプランの変更」を申し込むことで、追加費用を必要とせず、毎月の支払額を変更できます。自動車ローンの契約を検討する際には、このようなサービスの有無も確認しましょう。

契約期間中に車を売却するときは一括返済をする必要がある

自動車ローンの契約期間中に車を売却することになった場合、一括返済しなければならない点にも注意しましょう。
ライフスタイルの変化などによって、将来的に車を手放す可能性はゼロではありません。
例えば、転勤に伴って車が不要になったり、子供の誕生を機に車を乗り換えたりすることも考えられます。
ディーラーローンの場合、完済するまで車の所有権はディーラーまたは信販会社の名義となります。そのため、車を売却する場合には残債を一括返済し、所有権解除手続きを行わなくてはなりません。
銀行ローンの場合、車検証の「所有者欄」に記載された氏名が車の使用者であれば売却が可能です。ただし、契約時に「残債がある場合は売却不可」といった条項が設けられているケースもあり、その場合は、売却時に残債の一括返済が必要です。

毎月の支払い負担をできるだけ抑える方法

長期で自動車ローンを契約した場合、毎月の支払額を抑えられるメリットがある反面、その分金利(分割払手数料)の支払いが必要になるため、支払総額は大きくなってしまいます。
毎月の支払額を抑えつつ車を所有したい方には、通常の分割払いではなく、ディーラーローンに該当する「残価設定型クレジット(以下、残価設定ローンと記載)」を利用する方法もあります。

残価設定ローンとは

残価設定ローンとは、あらかじめ車両本体価格の一部(契約期間後の車の価値分)を最終回の支払い分として据え置き、最終回分を除いた総額を分割して支払う自動車ローンのことです。
下図のように、最終回の支払い分(1)を据え置き、最終回を除く総額(2)を分割して支払います。
■残価設定ローンのイメージ
残価設定ローンのイメージ図
通常の分割払いの場合、自動車ローンの契約年数に応じて車両本体価格を分割し、金利(分割払手数料)を含めた額を毎月支払います。残価を除いた分を分割する残価設定ローンは、通常の分割払いに比べて、毎月の支払額を抑えられるのです。
毎月の負担をできるだけ抑えたい方はもちろん、「まとまった頭金を用意するのは難しいものの、新車に乗りたい」「上位グレードの車を選びたいけれど、予算をオーバーしてしまう」といった方にも適しています。
■一般的なクレジット(通常の分割払い)と残価設定型クレジット(残価設定ローン)の比較
一般的なクレジットの場合 総支払額を月々払い
残価設定型クレジットの場合 一般的なクレジットとの月々支払額の差 最終回に残価を据え置き
ただし、残価設定ローンは、毎月の支払額を抑えられる一方、金利(分割払手数料)の負担が大きくなることがあります。

据え置いた残価の支払いは?

残価設定ローンでは、据え置いた残価の支払いを必要としないケースがあります。
最終回分の支払い方法は、下記3つのプランから選択が可能です。
<最終回の支払いプラン>
  • 同じメーカーで新しい車に乗り換える
  • 車を返却する
  • 車を買い上げる
「同じメーカーで新しい車に乗り換える」「車を返却する」場合、最終回の支払いは必要ありません。ただし、車の状態が規定に合っていない場合は、別途精算金が発生する可能性もあります。
「車を買い上げる」場合は、最終回の支払い分を一括精算するか、再度分割支払い(再クレジット払い)の契約を行います。
なお、契約内容の詳細は販売店によって異なるため、各販売店に確認してください。
トヨタでは、車の購入・乗り換え時によくある、ローンのお支払いや自動車保険に関する「面倒くさい」のお悩みを解消するセットプラン「トリプルアシスト」をご利用いただけます。

自動車ローンを何年で契約するか悩んだ際は、支払方法も踏まえて検討しよう

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自動車ローンの契約期間は、長期にすることで毎月の負担を抑えられる反面、金利(分割払手数料)の負担が増えてしまいます。毎月の支払額を減らす方法には、通常の分割払いだけではなく残価設定ローンを利用する方法もあるため、自動車ローンを利用する際は、ご紹介した内容を参考にご検討ください。
トヨタの残価設定型クレジット(残価設定ローン)は、契約時の利便性や繰上返済が可能な点が特徴です。毎月の支払額をできるだけ抑えて車に乗りたい方、定期的に新車に乗り換えたい方は、トヨタの残価設定型クレジット(残価設定ローン)を利用してみてはいかがでしょうか。
また、トヨタでは「通常の分割払い」、2回払いの「残額据置き払い」も利用が可能です。自分に合う自動車ローンを知りたい方は、「トヨタの自動車クレジット診断」をお試しください。
  • 繰上返済はあくまで返済額の変更のみとなり、契約期間の短縮はできません。

自動車ローンの契約期間に関するよくあるご質問

自動車ローンは一般的に何年まで契約できる?

自動車ローンは、「ディーラーローン」と「銀行ローン」に大別でき、契約期間を何年まで設定できるかは、販売店や金融機関によって異なります。
ディーラーローンとは、車を販売している販売店が信販会社などと提携して提供する自動車ローンのこと、銀行ローンとは、銀行や信用金庫などが提供する自動車ローンのことです。
一般的に、ディーラーローンは3~8年、銀行ローンは7~10年程度の契約期間を設定できます。

自動車ローンを何年にするか検討するときのポイントは?

自動車ローンの契約期間を何年に設定するか検討する際には、「月にどのくらい車にお金をかけられるか」「繰上返済をする予定はあるか」の2点を考慮することが大切です。
車を所有する際は、自動車ローンの支払い以外に、駐車場代やガソリン代などの維持費もかかります。車にかけるお金が負担にならないよう、家計とのバランスを十分に考えることが重要です。
また、自動車ローンによっては、繰上返済や一括返済に対応している場合もあります。繰上返済を利用することで支払総額を抑えられるため、繰上返済を希望する場合は、販売店に取り扱いの有無を確認しましょう。

自動車ローンの契約期間を決める際の注意点は?

自動車ローンの契約期間を決める際には、「後から契約期間を変更できないこと」「契約期間中に車を売却する際には一括返済が必要なこと」の2点に注意が必要です。
自動車ローンは、契約後の期間変更ができないため、返済期間を延長して毎月の支払額を抑えるといったことはできません。
また、ディーラーローンの場合、自動車ローンの契約期間が満了する前に車を売却するとなると、残債を一括返済する必要があります。銀行ローンの場合は、契約期間であっても売却できますが、契約内容によってはディーラーローンと同じように残債を一括返済しなければなりません。
■監修者
ファイナンシャルプランナー
金子賢司
東証一部上場企業(現在は東証スタンダード)に10年間勤務する中、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間毎年約100件のセミナー講師なども務める。
<保有資格>CFP