負担の少ない自動車ローンの組み方とは?契約先の選び方も解説

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自動車クレジット(以下、自動車ローンと記載)を契約する際は、「どこで契約するか」「いくらで契約するか」「何回払いで返済するか」など、検討しなければならないことがたくさんあります。自動車ローンの契約内容によって、毎月の返済額や支払総額は大きく変わるので、慎重に判断しなくてはいけません。
今回は、自動車ローンを契約する際の流れと自動車ローンの種類、選び方のポイント、自動車ローンを契約する際の注意点を解説します。
また、自動車ローンの負担を減らす方法についても紹介しますので、車の購入を検討している方は参考にしてください。

自動車ローンを契約するまでの流れ

自動車ローンを契約する前に、契約までの流れを把握しておくことが大切です。自動車ローンの契約までの流れは契約先によって異なるため、一般的な例として参考にしてください。

1. 予算と頭金の支払いの有無を決める

自動車ローンの契約をする際には、まず車の購入にかかる総費用を明確にし、頭金の支払いの有無を決めます。自動車ローンは、頭金なしでも契約でき、支払う場合の金額も契約者が自由に決めることが可能です。
頭金を支払う場合、多く準備すれば毎月の返済負担額や支払総額が少なくなります。ただし、まとまった資金を用意しなくてはならないため、自己資金とのバランスを考え、頭金の支払いの有無を検討しましょう。
なお、車の購入にかかる費用は車両本体価格だけではなく、追加したオプションの費用や各種手数料、税金なども含めたものになることに注意が必要です。

2. 自動車ローンの返済期間と毎月の返済額の目安を設定する

頭金の有無を決めた後は、家計とのバランスなどを踏まえ、自動車ローンの返済期間と毎月の返済額の目安を設定します。
返済期間が短い場合、支払総額は少なくなりますが、毎月の返済額は多くなります。返済期間を短くしたいあまり、毎月の返済額を多くしてしまうと、不測の事態が起きた場合に返済が滞る可能性も捨てきれません。家計とのバランスを考えて、余裕のある額に設定するのがおすすめです。

3. 自動車ローンの種類を選ぶ

自動車ローンには、大きく分けて「銀行ローン」「ディーラーローン」があります。それぞれに特徴があるので、自分に合ったものを選ぶことが大切です。それぞれのローンの違いは、後程詳しく解説します。

4. 自動車ローンのタイプを選ぶ

自動車ローンの種類を選ぶのと同時に、タイプについても検討しましょう。自動車ローンのタイプは、大きく分けて「通常の分割払い」と「残価設定型クレジット(残価設定ローン)」があります。
・通常の分割払い
通常の分割払いは車の現金販売価格を自動車ローンの契約年数に応じて分割し、金利(分割払手数料)を含めた額を毎月返済する方法です。
・残価設定型クレジット(残価設定ローン)
残価設定型クレジット(残価設定ローン)は、あらかじめ車の現金販売価格の一部(契約期間後の車の価値分)を最終回のお支払い分として据え置き、最終回分を除いた総額を分割して支払う方法です。例えば、現金販売価格が300万円、最終回の残価が90万円であれば、残価を除いた210万と分割払手数料を契約期間に応じて分割して支払います。そのため、分割払手数料が同一の場合、通常の分割払いに比べて月々の返済額が軽減できるのです。
なお、最終回では、必ずしも残価として設定された金額を支払う必要はありません。同じ販売店で新しい車に乗り換えるか、車を返却すれば、原則として支払いは不要です。車を購入して乗り続けることを希望する場合のみ、最終回の支払い分を一括精算、あるいは再度分割支払い(再クレジット払い)することになります。

5. 自動車ローンの金利(分割払手数料)の種類を選ぶ

自動車ローンの金利(分割払手数料)には、「固定金利」と「変動金利」があります。選択する金利(分割払手数料)の種類によって月々の返済額や支払総額も変わるため、それぞれの特徴を理解して検討することが大切です。
・固定金利
固定金利は、自動車ローンの契約中、同じ金利(分割払手数料)が適用される仕組みです。返済期間中に金利相場が上がっても下がっても金利(分割払手数料)は変わらないので、返済計画を立てやすいメリットがあります。しかし、金利相場が下がった場合も、その恩恵を受けられません。ディーラーローンでは、固定金利が採用されている場合が多い傾向があります。
・変動金利
変動金利は、自動車ローンの契約中の金利相場の変動にあわせて金利(分割払手数料)が変化するものです。固定金利に比べて返済計画が立てにくいですが、金利(分割払手数料)が低めに設定される傾向があります。

自動車ローンの種類

自動車ローンには前述のとおり、「ディーラーローン」「銀行ローン」があります。それぞれの特徴は下記のとおりです。

ディーラーローン

ディーラーローンは、車を販売している販売店が、信販会社などと提携して提供している自動車ローンです。
年利は4~10%程度が一般的で、自動車ローンの契約終了までは車の所有権はディーラーやローン会社になります。自動車ローンを完済すれば、所有権の変更が可能です。
車の購入と同時に自動車ローンの契約ができるため、手間がかからない点がメリットです。また、契約内容についてディーラースタッフに相談することも可能なので、安心して契約ができます。

銀行ローン

銀行ローンは、銀行や信用金庫等が提供している自動車ローンです。自動車ローンの中でも金利(分割払手数料)が低い傾向があり、年利2~4%程度が一般的といわれています。
また、銀行ローンは車の所有権が購入者に帰属する点も特徴です。一方、審査や手続きに時間がかかる傾向があります。

自動車ローンの選び方のポイント

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自動車ローンはそれぞれのローンの特徴を踏まえた上で、自分に合ったものを選ぶことが大切です。自動車ローンの契約先に迷ったときに、判断材料になるポイントを4つご紹介します。

手続きの利便性で選ぶ

自動車ローンの契約手続きにはさまざまな書類が必要です。書類をそろえ、手続きのために銀行などへ出向くのは手間がかかりますが、最近はWEBですべての手続きを完結できる自動車ローンも増えてきました。利便性のよい会社を選ぶのもひとつの手といえます。
トヨタ販売店であれば、車の購入と同時に自動車ローンの契約ができるため、余計な手間がかかりません。また、販売店スタッフに支払い内容を相談しながら契約をすることもできるので、安心です。
トヨタの「自動車クレジット(ローン)」について詳しくは、下記をご覧ください。

繰上返済ができるかどうかで選ぶ

繰上返済とは、自動車ローンの返済金額を前倒しして払うことです。お金に余裕のあるタイミングで繰上返済することで、支払総額を減らすことができます。
繰上返済が可能であれば、万が一に備えて毎月の返済額は少なめの額を設定しておきつつ、繰上返済を利用して返済金額を調整することも可能です。すべての自動車ローンでできるわけではないため、繰上返済ができるかどうか事前に確認する必要があります。
なお、トヨタの自動車クレジット(自動車ローン)の残価設定型クレジットと通常の分割払いでは、手数料無料で一部繰上返済が可能です。

金利(分割払手数料)で選ぶ

低予算で車の購入を希望している場合、金利(分割払手数料)が低い自動車ローンを選ぶのがおすすめです。金利(分割払手数料)は契約先によって異なるため、いくつか比較・検討することが大切です。

保証料の支払いの有無で選ぶ

自動車ローンの中には、保証料の支払いが必要な場合もあります。保証料とは、保証会社に支払う費用のことで、金額は購入額の1%程度が一般的です。
保証料を自分で負担する場合、その分支払金額が増えるため、申込みの段階で確認しておきましょう。

自動車ローンの契約における注意点

自動車ローンを契約する際の注意点は下記のとおりです。

維持費を含めて毎月の返済額を決める

車を購入し、維持するにはさまざまな費用がかかります。自動車ローンの毎月の返済額を決める際には、下記のような支出が発生することも考慮した上で、無理のない金額にしておくことが大切です。
<車の維持費の例>
  • ガソリン代
  • 駐車場代
  • 修理やメンテナンス代
  • 車検費用
  • 自動車保険の保険料
  • 税金

返済計画にゆとりを持つ

自動車ローンの毎月の返済額にはゆとりを持たせ、無理なく返済できる金額にしましょう。住宅ローンの返済や生活費、子供の教育費などに影響がないか、転職などに伴う収入の変動があった場合に対応できるかなども考えて、ゆとりのある返済計画を立てる必要があります。

車を購入する目的を明確にする

自動車ローンを契約する際は、車を持つ目的を明確にすることも大切です。車選びで優先すべき条件がはっきりするため、用途に合わない車を選んでしまったり、無理にハイグレードの車を選んで予算オーバーしてしまったりという事態を防げます。

返済期間を慎重に検討する

自動車ローンは、契約時に返済期間を決めたら、基本的に変更はできません。毎月の返済額を減らすために返済期間を延ばすといったこともできないため、返済期間は慎重に決める必要があります。
なお、トヨタの残価設定型クレジット(残価設定ローン)では、契約期間終了時点で残価部分を再クレジットにすることも可能となっています(再クレジットを選択される場合、別途条件がございます)。
トヨタの「残価設定型クレジット(残価設定ローン)」について詳しくは、下記をご覧ください。

自動車ローンの月々の負担を減らす方法

自動車ローンの月々の返済負担を減らすには、大きく分けて2つの方法があります。ひとつは、「頭金として支払う金額を増やす」こと。もうひとつは、通常の分割払いではなく、「残価設定型クレジット(残価設定ローン)を検討する」ことです。それぞれの特徴は下記のとおりです。

頭金として支払う金額を増やす

自動車ローンの頭金は、自己資金から車の現金販売価格の一部を支払うものなので、頭金の額が大きくなればなるほど、毎月の返済額も抑えられます。
もちろん、自動車ローンの契約の際に頭金を支払うか否か、またいくら支払うかは契約者の自由です。頭金がなくても自動車ローンの契約は可能です。
また、頭金でまとまったお金を支払った場合、家計の負担になってしまう場合もあるかもしれません。家計とのバランスを考え、頭金について検討しましょう。

残価設定型クレジット(残価設定ローン)を検討する

残価設定型クレジット(残価設定ローン)とは、あらかじめ車の現金販売価格の一部(契約期間後の車の価値分)を最終回の支払い分として据え置くことにより、最終回を除く月々の支払い額を軽減できる自動車ローンです。
通常の分割払いに比べると、残価を据え置いた分だけ月々の支払額が小さくなります。まとまった頭金を用意するのは難しいけれど新車が欲しい方や、上位グレードの車を選びたいけれど予算オーバーという方に向いている方法です。
また、必ずしも据え置いた残価を支払う必要がない点も特徴です。トヨタの残価設定型クレジット(残価設定ローン)の場合、同じ販売店で新しい車に乗り換えるか、車を返却する場合は、基本的に残価分の支払いが不要です。車を購入して乗り続けることを希望される場合のみ、最終回の支払い分を一括精算、あるいは再度分割支払い(再クレジット払い)することになります
なお、自動車ローンをご契約の際は、トヨタファイナンスの所定の審査がございます。
トヨタの「残価設定型クレジット(残価設定ローン)」について詳しくは、下記をご覧ください。
  • 再クレジットを選択される場合、別途条件がございます。
トヨタ車を買うなら残価設定ローンがいい!その理由とは?

自分に合った内容で自動車ローンを契約しよう

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自動車ローンは、種類や契約内容をどう設定するかによって、返済の負担が大きく変わってきます。返済の負担を軽くするには、自分が毎月無理なく支払える金額を把握した上で、自己資金とのバランスがとれた自動車ローンを契約することが大切です。
自動車ローンの毎月の返済負担を抑えて車を購入したい場合は、トヨタ車がおすすめです。トヨタの残価設定型クレジット(残価設定ローン)を利用することで、月々の支払い額を軽減できます。あらかじめ車の現金販売価格の一部(契約期間後の車の価値分)を最終回のお支払い分として据え置き、残価を除いた金額を分割して月々の金額を算出する仕組みです
無理のない範囲で欲しい車を選べるので、「まとまった頭金がないけど新車が欲しい」「上位グレードの車を選びたいけど予算オーバー」といった方も、ぜひご検討ください。
  • 月々の支払いには、別途金利(分割払手数料)がかかります。

自動車ローンに関するよくあるご質問

自動車ローンの契約には頭金が必要?

頭金は必ず支払わなければならないものではなく、頭金がなくても車の購入は可能です。頭金を支払うと自動車ローンの金額を抑えられるなどのメリットがあります。しかし、頭金としてまとまった金額を支払うことで、生活に支障が出るなどのデメリットも考えられます。
頭金を支払うかどうか、またその金額をいくらにするかは、自動車ローンの契約者が自由に決められるため、メリット・デメリットを踏まえ検討しましょう。

自動車ローンの契約で気をつけるべきポイントは?

自動車ローンの契約で気をつけるべきポイントは、ガソリン代や駐車場代、車検費用といった維持費がかかることを計算に入れた上で、毎月の返済額を無理のない金額にしておくことです。
また、住宅ローンの返済や子供の教育費など、ほかの支出のことも考えて、ゆとりのある返済計画を立てることなども挙げられます。

自動車ローンの毎月の返済負担を減らすには?

自動車ローンの毎月の返済負担を減らすには、頭金を増やす方法と、残価設定型クレジット(残価設定ローン)を利用する方法があります。
頭金の支払いを予定している場合であれば、無理のない範囲で頭金の額を増やせば、毎月の返済額を減らすことが可能です。
後者の残価設定型クレジット(残価設定ローン)とは、あらかじめ車の現金販売価格の一部(契約期間後の車の価値分)を最終回の支払い分として据え置くことにより、最終回を除く月々の支払い額を軽減できる自動車ローンです。残価を据え置いた分だけ、月々の支払額が小さくなります。
■監修者
ファイナンシャルプランナー
金子賢司
東証一部上場企業に10年間勤務する中、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間毎年約100件のセミナー講師なども務める。
<保有資格>CFP